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プロポリスとは何なのか?
その歴史や成分、安全性などについて解説します。

プロポリスは自然からの贈り物

プロポリスはミツバチたちが自然界の外敵から自分の巣を守るために、自然界から樹液を集めて体内の酵素と作用させて作る物質で、ミツバチが作り出す抗菌作用の高い、自然からの贈り物です。

プロポリスの語源は、ラテン語のpro(プロ=前、正面)とギリシャ語のpolis(ポリス=都市)に由来します。これはミツバチの巣を都市に見立てて、その前で「敵の侵入を防ぐ城壁」を意味しています。

ミツバチはこのプロポリスを巣の出入り口や巣枠、巣箱の隙間、巣穴の壁などに塗り付けることによって、雨風や冷気を防ぐだけでなく、外部からの細菌の侵入を防ぎ、巣や自らの体をバクテリアやウイルスから守ります。プロポリスはミツバチの巣の中を清潔に保ち、巣を守る、大切な補強材なのです。

プロポリスには健康に良いさまざまな成分が含まれています。この安全性の高い物質を私たちの体内に取り入れる事で健康を維持していこうとの考えにより、古来からさまざまな用途にに用いられてきました。

プロポリスの歴史

古代ギリシャ時代からプロポリスの効用は知られていたようです。 アリストテレスも『動物誌』の中で健康維持に効果あり、と記述しています。ローマのプリニウスも『博物誌』でプロポリスの有効性を賞賛しています。

古代エジプトでも、プロポリスの防腐効果を利用してミイラづくりに一役かっていたと推測されています。 古代インカ帝国、アラビアでもプロポリスはとても有効性の高い「自然からの贈り物」として知られていました。

イギリスと南アフリカのボーア戦争では、ワセリンにアルコール抽出のプロポリス液を加え使用されていました。

また、他の用途として、イタリアの著名なバイオリン製作者ストラディバリがバイオリンの共鳴を向上させるためにプロポリスを混ぜたニスを使った話もよく知られています。

しかし、その後の西洋医学の発達、特にペニシリン等の抗生剤の開発によって、その存在は忘れられていました。

ところが近年、抗生物質の乱用が問題化しているなかで、プロポリスの安全性と効果が見直されています。ブラジルでは、どこの薬局でも買えるポピュラーな健康食品として知られていますし、欧米諸国ではその歴史も古く、健康維持に不可欠な食品として使用されている国も数多くあります。(ルーマニア、デンマーク、ドイツ、ロシアなど)

日本では1985年10月に名古屋で開催された国際養蜂会議でプロポリスの働きが紹介されたのを契機に研究が急速に進展しました。国際養蜂会議で紹介されたプロポリスの研究や情報は、日本の養蜂関係者ばかりでなく、世界中の研究者や一般の人々にも高い関心を呼び、プロポリスブームのきっかけとなりました。

現在では、さまざまな機関で研究がおこなわれ、プロポリスの解明が急速に進んできています。

健康食品としてのプロポリス

欧米では古くから民間薬、強壮剤として用いられてきましたが、生産量が非常に限られることなどにより細々と伝承されてきました。近年、科学的な研究が進んだことと生産量が飛躍的に増えたことにより商業ベースにのり、健康食品としてのプロポリスはブームになりました。

生産量が増えた理由のひとつは、ブラジルでセイヨウミツバチの亜種のひとつであるアフリカミツバチが研究施設から逃亡し野生化した(アフリカナイズドミツバチと呼ばれる)のみならず、飼育群とも交雑してアフリカミツバチの遺伝的な行動様式がブラジルの飼育ミツバチ群に浸透してしまったことである。そのため、ブラジルの多くの飼育ミツバチは蜜の収集量が低下したが、植物の樹脂を多量に集める性質を身につけることとなった。

もうひとつは、ブラジルの森林の伐採後の土地にユーカリが多く植栽されたことである。これによって、精油分を多く含む樹脂を分泌する植物が、大量に供給されることとなった。

近年、ブラジルでは蜂蜜よりも付加価値の高いプロポリスを主たる産物として採取することが多くなり、ここで商品化されたものが日本でも販売されるようになりました。

1985年10月、第30回国際養蜂会議において中島自然科学研究所がブラジル産プロポリスを日本に紹介し金賞を受賞。同年より日本市場に製品が流れはじめ、プロポリスの一大ブームが巻き起こりました。

プロポリスの成分

プロポリスに含まれる成分は何千、何万といわれ『天然有効物質の宝庫』と呼ぶ人もいます。 現在の時点では、約300種類ほど確認されています。中でもフラボノイドは40~50種類含まれていると云われ、プロポリスの健康維持作用の中心的役割を果たしていると考えられています。

このように、プロポリスは有効成分の複合体といってよいでしょう。

主成分ミネラル類ビタミン類
・フラボノイド
(ケルセチン、ケンフェロールなど)
・有機酸
・桂皮酸誘導体
(アルテピリンC、p-クマル酸など)
・テルペノイド
・セルロース
・アミノ酸
(チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸)
・マグネシウム
・マンガン
・カルシウム
・ 鉄
・銅
・亜鉛
・プロビタミンA
・ビタミンB1
・ビタミンB2
・ビタミンE
・ビタミンP
・ナイアシン
・ 葉酸

植物中のフラボノイドの多くは配糖体の形で含まれていますが、プロポリスに含まれるフラボノイドは、糖鎖を持たないアグリコンであることが特徴です。これは、ミツバチが植物からフラボノイドを採取した後、消化管内で酵素的に加水分解を行うためと考えられています。

プロポリスの抽出方法

プロポリスの主成分は油性であるため通常は水に溶けません。そのためプロポリスを食品として利用するには、エタノールなどの溶媒で抽出する必要があります。

抽出方法には大きく分けて4種類あります。

アルコール抽出

昔から行われてきた方法で、現在も最もポピュラーな抽出法です。

プロポリス原塊をエタノールで溶かした後濾過し、エキスを抽出します。
アルコールそのものにも滅菌力があり、製品化されたものが半永久的で、かつ安全性が高いのが特徴です。

日本の市場には3年や5年、あるいは10年など長期熟成を謳った高額な製品が多数出回っていますが、これらにはあまり意味がありません。なぜならプロポリスの有効成分は、熟成期間が数ヶ月~1年でほぼ完全に抽出されるからです。長期熟成のものは単にアルコール分が飛んで味がまろやかになるだけのこと。ちなみにプロポリスの本場ブラジルでは、長期熟成を謳った高級品などは存在しません。

水抽出

プロポリスの原塊を各社指定の温度で熱水と混ぜ、その後遠心分離機で濾過する方法。
匂いなどの刺激のないプロポリスが出来、飲みやすい。ただしフラボノイドなどの脂溶性成分有効成分が十分に抽出されない。また、腐敗しやすいため防腐剤で処理する必要があります。

ミセル化抽出

水とグリセリンを混ぜた液で抽出します。

グリセリンの乳化作用でプロポリスの中の水と油に溶けやすい成分を同時に抽出する。刺激臭もなく体内に吸収されやすい反面フラボノイドの抽出率が低い。
また溶媒としての界面活性物質が多くの部分を占め、単位あたりのプロポリス混入量が非常に少ない。通常の必要量を摂取するためには一回に相当量(30~60ml)を飲まなければならなりません。

グリコール抽出

溶剤としてアルコールの代わりにプロピレングリコールを使ってプロポリスを抽出します。

プロポリスの有効成分が十分に抽出され、且つ味もまろやかになるということでブラジルやオーストラリアなどの国々で生産が増えています。また、プロポリスには付き物のヤニが全くでないという特徴を備えています。プロピレングリコールには高い品質保持効果もあり、アルコールと同じく長期の保存にも適しています。しかし、日本にはプロピレングリコールの使用基準(注1)があり輸入ができない状況が続いています。

(注1)プロピレングリコールの使用基準「プロピレングリコールとして生めん及びいかくん製品にあってはその2.0%以下、ギョウザ、シュウマイ、春巻及びワンタンの皮にあっては、その1.2%以下、その他の食品にあってはその0.60%以下でなければならない。」 昭和56年6月10日厚生省告示第116号より

ブラジル産のプロポリス

プロポリスはミツバチが松ヤニなどの植物の分泌する樹脂状物質を採取してくるものなので世界各国で採取されていますが、ミツバチの能力、植物の種類、気候条件などによって品質は異なります。代表的な植物は松、ポプラ、ユーカリ、パラナなどで、採取国としてはブラジル、中国、オーストラリア、ウルグアイ、ハンガリーなどです。

南米のブラジルでは昔から成長の早いユーカリ樹の植林が盛んで、同国産のプロポリス原塊は起源植物がユーカリ樹系より由来している物が多く、大変殺菌力が強いと言われています。それに加えブラジルで展開されている養蜂はアフリカ蜂化されたヨーロッパ種ミツバチが主で、大変凶暴性が強く、且つ大量のプロポリスを集める能力を持っています。これらの条件に恵まれたことによって、ブラジルはプロポリスの一大産地となったのです。

数あるブラジル産プロポリスの中でも、ミナス・ジェライス州の高原地帯奥地に自生する、ユーカリやアレクリン、アサペシ、カピシンギなどの植物からミツバチが採取したプロポリスが高品質とされています。特にアレクリンの成分が多いほど緑が濃くなり、その原塊はグリーンプロポリスとして高値で取引されています。

プロポリスの安全性

プロポリスが持つ様々な効用が認められつつある一方で、これらの生理活性が及ぼす影響についても多くの人々が関心を寄せるところです。懸念されているのは飲用した場合の急性毒性と副作用についてですが、いずれもプロポリスによる影響は報告されていません。

急性毒性試験はマウスやラットを使用して、2320~4000mg/kgの経口投与試験が行われ、一時的な活力低下や軟便などが観察されたものの、ほぼ24時間で正常となり、死亡例は見られていません。したがって、LD50値は4000mg/kg以上と考えられます。

また、人に対する副作用では、経口摂取した場合に個人差によっては弱い発赤、軟便などが見られることもありますが、ほとんどが一過性のものであり、その後の身体内部の調整作用がより有効に発現すること(好転反応)が期待できると言われています。

プロポリスは古代ギリシャの時代から2000年以上にわたって使用されてきたことからも、安全性に大きな問題はないと考えられています。

厚労省研究班プロポリス等、安全性確認進む
「発がん性なし」、有用性データも

厚生労働省・研究班の「天然添加物の発がん性等に関する研究」(主任研究者:大阪市立大学大学院医学研究科・鰐渕英機教授)で、プロポリス抽出物、キダチアロエ抽出物、カテキンの3素材が、2年間にわたる発がん性試験の結果、いずれも「発がん性なし」と判断された。

先月末にまとまった厚労省・研究班の報告書で明らかにされた。プロポリス抽出物については、腫瘍発生減少や延命効果など有用性を示唆する結果も得られている。これら3つの素材は健康食品市場のなかでも定番素材として知られており、その安全性が国の研究で実証された意味は大きい。

健康産業新聞 2007/08/22

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