ブラジル統一地方選挙

うちたか

先日、アメリカ大統領選挙が行われ、世界中の注目を集めました。トランプは未だに敗北を認めていないようで、いかにも彼らしいというか、ホント面白い人でした。

ブラジルの選挙システム

さて、実はこちらブラジルでも市長と市会議員を選ぶ地方選挙キャンペーンの真っ最中なんです。投開票は15日。市長選で誰も過半数の票を取れなかった場合、29日に二次投票があります。

ブラジルでは投票は国民の義務(高齢者は任意)とされています。また、投票用紙に書き込む方式ではなく、urna eletrônica(電子投票箱)と呼ばれる端末のボタンを押して投票する電子投票です。ハッカーの侵入を防ぐためインターネットなどのネットワークには接続されておらず、投票時間が終わったらメモリーを回収して集計するという意外とアナログ?な方法が取られています。既に20年以上の歴史があり、(僕は疑問に思っていますが)これまで不正などは一度もなかったというのが自慢でもあります。下の動画によれば、視覚障害者には音声でのガイドが付くようです。ちなみに、外国人である僕にはもちろん投票権もなく、一度も投票したことはありません。(^_^;)

選挙戦は命がけ

良くも悪くも選挙にはお国柄が現れるもの。その最たるものがコレでしょうか。

ちょっと刺激が強いのですが、日本のニュースでも報道されたので貼っておきます。ちなみに、これほど酷いことが起こっていながら、ブラジルの全国ニュースで取り上げられることはほとんどありません。多分、ローカルニュース止まりなんでしょう。(新聞は見ていないので知りません)

https://www.nikkeyshimbun.jp/2020/201105-01topics.html

ブラジル人は、普段は教養があり陽気で明るく、且つ優しく非の打ち所のないような善人でも、利権が絡むと人格が豹変することが多々あります。政治家というのはブラジルに置いては利権の塊なので、その地位を巡っては激しい戦いが繰り広げられているのです。

ネガティブキャンペーン

また日本とは違って、敵対する候補者に対してはネガティブキャンペーンで足を引っ張りまくるというのも一般的です。もはやお家芸か。

もちろん有権者にとっては、候補者のセールスポイントだけではなく、過去の不正などネガティブな面を知ることも大事なこと。しかし、近年は批判が加熱し過ぎて単なる誹謗中傷合戦の様相を呈しており、とても残念です。特に僕の住むサンパウロ州内陸部の都市では酷くて、こんなものをTVのゴールデンタイムに延々と見せられるのには、有権者の殆どはもうウンザリなのではないでしょうか。

候補者の質の低下

これは世界的な傾向でもあるように思います。

日本の場合は、下ネタなどのスキャンダルや失言など些細なことで失脚する政治家が多いですが、ブラジルの場合、その多くは汚職絡みのスキャンダルで失脚します。有名なところでは、ルラ前大統領は最高権力者であったにもかかわらず、というか、であったがゆえに汚職に塗れ、確か9つの罪状で起訴されました。まさに汚職のデパートです。残念なことに、与野党問わず、有力政治家の殆どが汚職とは無縁ではありません。

そして残ったのは、一見クリーンそうだが政治力があまり期待できないような政治家ばかり。どうにも選びようがないという有権者の嘆きが聞こえてきそうです。

何はともあれ、投票日まであと4日。早くこの嵐が過ぎ去ってくれないものかと心待ちにしています。(*^^*)