誕生日考
ブラジル人にとって、誕生日は特別な日だ。
クリスマスと並ぶ年間最大の行事であり、「誕生日おめでとう!」の言葉はもちろん、その言葉を証明するために、ここぞとばかりにお金とエネルギーを投入しなくてはならない。特に親しい間柄ではフラワーギフトに高価なプレゼント、レストランでの食事、などは必須。それは子供だけでなく大人であっても、結婚して何年経とうが決して変わることはない。
また、親戚のおじやおば、いとこ、甥や姪などからも頻繁に招待状が届く。これに友人関係や職場の同僚なども合わせると、ほぼ毎週のように誰かの誕生日ということになる。全部はとてもこなせるものではないが、それでも時々はフェスタにいくことになる。呼ばれたからには手ぶらではなく、何らかのプレゼントを持参しなくてはならない。他人へのプレゼントを選ぶというのは結構難しい作業で、ショッピングモールへ行っては毎回頭を悩ませる羽目になる。
もちろん祝ったり祝ってもらったりというのは気持ちのいいものではある。自分の誕生日に大勢の人に祝ってもらったり、沢山のプレゼントをもらったり、なんてことは日本ではもうあまり一般的ではないだろう。(もしかして僕の周りだけ?)
昨日はかみさんの誕生日だった。 今年はシンプルに蘭と薔薇とケーキでお祝い。 |
日本に住んでいたときは、とりわけ成人してからは、誕生日なんて何も特別な感情はなく、また一つ年を取っちまったなー、ぐらいのものだった。だから誕生日を祝ったり祝ってもらったりすることがあっても、せいぜい近親者の間でのささやかなプレゼントか食事がいいところだ。例外は恋人がいる時だが、それも恋愛感情を燃え上がらせる特別なイベントの一つとして誕生日を利用していたような気がする。